FXの基礎知識
多くの魅力的な特徴を持ち、法整備も進んできたFX(外国為替証拠金取引)ですが、参加者にとっては理解しておくべきリスクも存在します。主なものは次の四つです。
1.値動きのリスク
外国為替証拠金取引は、元本や収益が保証された取引ではありません。市場の値動きによって儲かったり損をしたりします。また、高金利通貨を買って低金利通貨を売ることによって「スワップポイント」と呼ばれる金利差の調整分を受け取ることができますが、このスワップポイントも、金利市場での動き次第で増減します。それどころか、金利差が逆転してしまえば、スワップポイントを支払わなければならないこともあります。
このリスクを考える際に、重要になってくるのが「レバレッジ」と「リスク」の関係です。資金を証拠金として預けることで、少ない資金でも大きな取引ができるのが外国為替証拠金取引の魅力ですが、値動きによる差損益や、スワップポイントの受け払いは取引金額によって決まってくるため、取引が大きくなればなるほど収益期待もリスクも高まります。
例えば、5万円預け入れて、1ドル100円で1万ドル分のドル円の買い取引をしたとします。この場合、元手5万円に対する取引金額の比率であるレバレッジは20倍です。
そして、ドル円が1円下がって1ドル99円になったとします。この時の評価損は、1円×1万で1万円。市場としては、100円から99円とわずか1%下がっただけですが、レバレッジが20倍ですから、もともとの資金である5万円に対しては20%もの評価損が出た計算になります。仮に5円(5%)下がったとすると、もともとの資金5万円が全てなくなってしまうことになります。
実際の取引では、業者が設定した最低ライン(例えば1万ドル当たり2万円)を割り込むと、強制的に決済されてしまい損失が確定しますので、3万円以上下がった場合、取引が維持できないことになります。もちろん、逆に儲かる時は、5円上がると元の資金が倍になるというわけで、ハイリスク・ハイリターンな取引といえます。
2.流動性リスク
大きなニュースなどがあって外国為替市場全体の取引量が減り、取引ができなくなるリスクです。
外国為替市場は1日200兆円以上の取引がある世界最大の市場で、ストップ安・ストップ高というものがないため、株式市場などと比べて流動性リスクは低いのですが、大きなニュースが出た直後などは値動きが荒くなり、取引したい水準で上手くできないリスクもあります。
3.システムのリスク
外国為替証拠金取引は、インターネット回線を通じて自分のパソコンから取引を行う場合がほとんどです。そのため、パソコンやネット回線のトラブル、取引業者のサーバートラブルなどにより取引できないというリスクがあります。また、自分の操作ミスによる誤発注などのリスクがあります。
4.信用リスク
取引業者の財務状況の悪化や業務停止、倒産などによって取引ができなくなるリスクです。FXは1998年に誕生しましたが、当時から財務上脆弱な業者が多く含まれていました。
それが2005年7月の改正金融先物取引法の施行によって、5,000万円の最低資本金や自己資本規制比率などが定められ、財務が脆弱な業者は排除されましたが、銀行などと比べるとまだまだ財務上の基盤が弱いため、倒産に関するリスクを考慮しておく必要があります。
なお、最近は利用者から預かった証拠金を信託銀行に預託し、会社の資金とは完全に分離して管理を行い、倒産時の顧客資金の保全を図る仕組みを採用する業者も増えてきました。こうした顧客保護の仕組みが一般化すれば、ますます信用リスクは軽減できるでしょう。
こうしたリスクを十分理解した上でFX取引を楽しんでいただければと思います。参考になさってください。
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