本気で始めるFX〔実践編〕
ユーロドル、ドル円、ユーロ円の組み合わせで、どれが相場の主役かを探してみます。
・円が主導する相場
円が主導する相場展開というのは、クロス円を中心とした取引が活発になる時です。それには、それまで円が他の主要通貨に対し低金利であることと、市場が安定していることが条件となります。
マイナー通貨の通貨ペアを作る時と同じで、ユーロ円の買いを作るには、ユーロドルとドル円を同時に買うことになります。実際の収引ではユーロ円の流動性は高く直接収引ができますが、大量にユーロ円を買うことで需給は最終的にユーロの需要が高まると同時に、円の供給が増えることになります。
それはユーロの価値が上がり円の価値が下がることと一緒です。
その反対に、市場が不安定になり安全通貨としての円の需要が高まることで円買いが強まるような時もあります。あるいは日本が緩和政策から引き締め政策に転じる時には金利差の縮小から円を買い戻そうとする動きが強まる時で、いわゆる円キャリー取引の巻き戻しが入ります(反対にユーロの金利が低下する時も金利差が縮小し、同様の動きになります)。
・ドルが主導する相場
ドルを中心に相場が動く時というのは、米国の経済や金融問題が注目される時です。外国為替市場は元々基軸通貨の米ドルが中心にある市場ですから、通常この動きが基本的なものとなります。
例えば、FOMCで政策金利を引き上げることを決めた場合にはドルが全面高となります。その他にも雇用統計の結果が予想を大きく上回った時や米国経済が急速に改善されるような時も同様です。
その時はドル円が上昇し、ユーロドルは下落します。結果的にドルが相殺されてユーロ円は横這いになります。これはユーロ円=ユーロドル×ドル円のメカニズムから考えると納得できるはずです。
一方、ドルの全面安の展開の時とは、例えばFOMCで政策金利の引き下げを決定した時などです。雇用統計の悪化や財政問題が悪化するといった時にも同様の動きがみられます。これは短期でも長期でも同様の動きになります。
・ユーロが主導する相場
欧州債務問題が後退してECBが緩和政策を解除し引き締めに転じるといった時などは、ユーロが対ドルと対円で上昇します。ただ、ドル円は横道いかあるいはやや上昇気味に動きます。
これは、ユーロ円のクロス買いが強まることでドル円の買い需要が高まるためです。
反対に欧州債務問題がさらに悪化するなど、ECBがさらに緩和政策を強める時などはユーロの下落を中心とした動きになります。ユーロドルが最も影響を受けやすく、ユーロ円もつ
られて下落します。
ドル円自体は直接影響を本来は受けないものの、ユーロ円の下落につられてやや下落傾向になることがあります。
これ以外に、ユーロを中心に下落が始まると対ポンドや対スイスフランといった他の欧州通貨にも影響を与えるため、3つの通貨以外の通貨ペアの動きも同時にみるようにします。
なぜこのような動きで主役がわかるのでしょうか?
基本的な考え方はこうです。市場の各通貨ペアの流動性が大きく関係してきます。
例えば、ユーロドルの取引量は最も大きく、その次にドル円、3番目にユーロ円となります。これはBISが発表していますが、スプレッドをみることでおよその検討がつきます。スプレッドが狭い通貨ペアはそれだけ取引が活発で、反対にスプレッドが広い通貨ペアは市場の取引が少なく流動性が低くなります。
市場によっても取引の出来高は異なります。ユーロ円など円絡みの取引は実需収引からみても東京市場の開いている時間帯となり、それだけ円の動きが強まります。
一方、ユーロとドルの取引は欧州からNY市場にかけて最も多くなり、ユーロドルやドル円などが主体の動きになります。
本来実需の少ない取引通貨ペアは流動性が低く、大きな額の取引が行われる時にはユーロドルとドル円のかけ合わせでプライスを出すこともありました。
1日4兆ドルの取引が行われるといわれる外為市場ではこのような通貨を分解した取引はだいぶ少なくなりましたが、現在の市場でも時間の経過とともに同じような結果になります。
参考になさってください。
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