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本気で始めるFX〔実践編〕

「為替相場のテーマ(主役)を見極める」

相場にはその時々に注目される何らかのテーマが必ずあります。それを見極めることで相場の予想をしていきます。

テーマは短期、中期、長期のテーマが複合的に重なり合って現れます。

テーマを捉えるということは流れを掴むということです。

そのテーマが終わりに近づく時というのは1つの流れの終わりを意味し、それを契機に自分のポジションを早めに処理するということです。それは、短期でも長期でも同じことです。

まず、長期的に相場を勤かす要因となる大(メイン)テーマを掴んでおくようにします。そして中期的なテーマが出たらそのテーマを追いながら、その日の短期的なサブテーマをみつけるようにします。

例えば、2008年9月のリーマンショック以降に起こった金融危機の広がりに対し、米国を中心とした世界的な金融緩和政策が打ち出され低金利時代に突入しました。

米国はゼロ金利政策や量的緩和など異例の金融緩和を実施し、現在もそれが続いています。

その後、ECB、BOE、そして日本も大規模な量的緩和を実施するなど、今も「米国金融緩和」ないしは「世界的金融緩和」というテーマを付けることができます。

この状況が転換する時は、世界経済やマネーの流れが大きく変わる時でもあります。こうして1つの大きな流れを捉えていくようにします。

この時、通常の緩和政策から「ゼロ金利政策」、それをさらに進めたのが「量的緩和」という段階を経るように、それぞれを別の中テーマと考えます。

したがって、量的緩和の終了は1つの中テーマとしては終わりますが、その次の中テーマであるゼロ金利解除、いわゆる「出口戦略」がテーマに来ると考えると、ドルの動きをより正確に捉えることができるようになります。

これは、米ドルの動きをみる時のものですが、同時に別のテーマがその過程で現れます。それは「欧州債務危機」です。

ユーロ導入後の最大の危機となった「欧州債務危機」は、その後も大きなテーマとして世界が注目するようになりました。

ECBはFRBに次いで量的緩和を実施、その後はBOEや日銀など主要国を中心とした本格的な低金利時代(流動性相場)に突入することになります。

米国から始まった金融不安の拡大は米国の量的緩和から始まり、世界中に余剰マネーが溢れだしました。このマネーが新興国や金、コモディティといったリスク商品に向かうなど「流動性相場」は色々な相場にも影響を及ぼし始めます。

また、欧州債務危機のきっかけとなった2009年10月のギリシャショックもその時の1つのテーマで、そこから波及したスペイン、ポルトガルなどPIIGS(豚=PIGの意。財政不安のある5か国=ポーランド、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペインの頭文字をとってそう呼ばれた)と呼ばれる国々の深刻な経済危機も、それぞれがさらに小さなテーマとなりました。

この時はドルよりも市場はユーロを主体に動くようになり、米国経済にも影響を与えるほどで、それは世界的な金融緩和をさらに強めることになりました。

リーマンショック直後の為替動向をみると、ユーロは対ドルで売られると同時にドル円が急落しています。

これは、世界的なリスクの高まりから、安全通貨であるドルや円が買われるという構図です。

リーマンショックの影響が比較的小さかったことや経常黒字国でもある日本円と、基軸通貨という安心感がある米ドルは退避通貨として買われました。

この時の市場では安全通貨というテーマも同時進行していました。

リスクオンやリスクオフという言葉がよく聞かれ始めたのもこの頃ですが、これらはちょっとテーマとは異なります。

参考になさってください。


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